ハロー戦犯

 戦争が廊下の奥に立っていた。よお、と手を挙げてあいさつしてきたから、僕も、よお、と返事をした。ところが、戦争は僕の横を通り過ぎていった。そして、僕の背後にいたらしい誰かと、なごやかにしゃべり始めた。彼があいさつをした相手は、僕ではなかったのだ。恥ずかしくなり、僕はすぐにその場を立ち去った。